【採用担当が教える】法務職の志望動機の例文6選！新卒・未経験・経験者向けも

法務職を目指しているけれど、「志望動機をどう書けばいいかわからない」と悩んでいませんか？企業の採用担当者は、応募者がなぜ法務職を志望し、自社でどのように活躍できるのかを知りたいと考えています。そのため、ただ「法律に興味がある」だけではなく、具体的な理由やスキルを交えてアピールすることが重要です。

この記事では、法務職の志望動機を書く際に押さえておくべきポイントを解説し、未経験者・経験者それぞれに向けた例文を紹介します。採用担当者に「この人と一緒に働きたい！」と思ってもらえる志望動機を作成しましょう。

法務職の志望動機とは

法務職は、企業の法律業務を担当し、コンプライアンスの維持や契約書の作成・確認、トラブル対応などを行う職種です。企業の経営を法律面からサポートし、リスクを未然に防ぐ重要な役割を担っています。

法務職の志望動機を作成する際には、単に「法律に興味がある」「専門知識を活かしたい」といった理由だけでは不十分です。採用担当者に伝わる志望動機にするためには、具体的な経験やスキル、企業とのマッチングを意識する必要があります。

法務職の役割と重要性

法務職の主な役割は、企業が適切に法律を遵守しながら事業を運営できるようにサポートすることです。具体的には、以下のような業務を担当します。

• 契約書の作成・チェック：取引先との契約書を確認し、リスクがないか精査する。
• コンプライアンス管理：社内のルール作りや法改正に対応し、企業が法令を順守できるよう指導する。
• 法的トラブルの対応：訴訟やクレームなど、法的リスクが発生した際に適切な対応を取る。
• 社内法律相談：社内の各部署からの法律に関する質問や相談に応じる。

法務の仕事は、単に法律の知識を活かすだけでなく、経営の視点を持ち、企業の成長を支えることが求められます。そのため、法務職の志望動機では「法律知識をどう活かすのか」「企業にどのような貢献ができるのか」を明確に伝えることが大切です。

採用担当者が求める人物像

法務職の採用担当者が重視するポイントは、単なる法律知識の有無ではありません。法務職として活躍するためには、以下のような資質が求められます。

1. 法律知識の基礎がある
法律に関する基礎的な知識を持ち、それを業務に応用できるかが重要です。法学部出身者や法律関連の資格を持っていると有利ですが、未経験でも自主的に勉強している姿勢をアピールできれば評価されます。

2. 論理的思考力がある
契約書のチェックやトラブル対応では、法律を踏まえて論理的に考え、的確な判断を下す必要があります。論理的思考力を示すエピソードを交えてアピールするとよいでしょう。

3. コミュニケーション能力が高い
法務職は社内外の関係者と関わる機会が多く、専門的な内容を分かりやすく説明する能力が求められます。過去の経験をもとに「どのように相手に伝えたか」を具体的に記述すると、説得力が増します。

4. 責任感と慎重さがある
法務の仕事は、企業のリスク管理に関わるため、責任感を持って業務を遂行することが求められます。また、小さなミスが大きな問題に発展することもあるため、慎重に業務を進める姿勢も重要です。

志望動機では、これらの要素を意識し、自分の経験やスキルをどのように活かせるのかを具体的に伝えることが大切です。次の章では、法務職の志望動機を書く際の具体的なポイントを解説していきます

未経験者向け：法務職の志望動機の書き方と例文

法務職は専門的な知識を求められる職種ですが、未経験からのチャレンジも可能です。重要なのは、自身のスキルや経験をどのように活かせるかを具体的に伝えることです。未経験者の場合、法律に対する興味・学習意欲、論理的思考力、コミュニケーション能力などをアピールすると良いでしょう。ここでは、未経験者が志望動機を書く際のポイントと、具体的な例文を紹介します。

未経験者がアピールすべきポイント

未経験者が法務職を志望する際にアピールすると効果的なポイントを紹介します。

1. 法律への興味と学習意欲
   • 独学で法律を勉強している
   • 資格取得に向けて勉強中（例：ビジネス実務法務検定、行政書士試験など）
   • 大学・前職での経験を法務の仕事に活かしたい
2. 論理的思考力や問題解決能力
   • 物事を整理し、論理的に考えるのが得意
   • 交渉や調整の経験がある（営業、カスタマーサポートなどの職種経験）
3. コミュニケーション能力
   • 人と関わる仕事の経験を活かしたい
   • 契約書の内容を分かりやすく説明できるスキルを身につけたい

未経験者の場合、「なぜ法務職を目指すのか」を明確にし、学ぶ姿勢や転職後のビジョンを伝えることが大切です。

未経験者の志望動機例文①新卒向け

「大学で法学を専攻し、法律の知識を活かせる仕事をしたいと考え、貴社の法務職を志望しました。特に、企業法務におけるコンプライアンスの重要性を学ぶ中で、適切なリーガルチェックや契約書作成を通じて企業の成長を支える役割に魅力を感じました。

また、ゼミでは契約法を中心に学び、グループワークで契約書の作成やケーススタディを行いました。こうした経験を活かし、実務を通じてさらにスキルを磨きたいと考えています。貴社はグローバル展開を進める中で、法務機能の強化を図られていると伺いました。貴社の成長を支える法務部門の一員として、知識を深め、実務に貢献したいと考えております。」

未経験者の志望動機例文②

「前職では営業職として法人顧客との契約交渉を担当していました。その中で契約書の内容やリスクマネジメントの重要性を学び、法務の専門知識を身につけたいと考えるようになりました。

現在、ビジネス実務法務検定2級の取得に向けて勉強を進めており、企業法務の基礎を学んでいます。営業経験を通じて培った交渉力やリスク管理の視点を活かしながら、企業の法務機能を支える存在になりたいと考えています。貴社は幅広い業界と取引があり、契約法務の実務経験を積むには最適な環境だと感じています。未経験ではありますが、主体的に学び、貢献できるよう努力してまいります。」

未経験者の志望動機例文③

「前職では人事・総務業務を担当し、社内規定の改定や労務管理に携わってきました。その中で労働法や会社法に関する知識が業務に直結することを実感し、法務職へのキャリアチェンジを決意しました。

現在は独学で法律の勉強を進め、ビジネス実務法務検定の取得を目指しています。これまでの業務経験を活かしながら、契約法務やコンプライアンス管理の分野で貴社に貢献したいと考えています。未経験ではありますが、社内の各部門と円滑に連携を取りながら、企業の成長を法務面から支えていきたいと思います。」

経験者向け：法務職の志望動機の書き方と例文

法務職としての経験がある場合、具体的な実績やスキルを伝えることが重要です。採用担当者は「即戦力として活躍できるか」を見極めているため、どのような業務を担当し、どのような成果を上げたのかを明確にしましょう。

経験者が強調すべき実績とスキル

1. 契約書作成・リーガルチェックの経験
   • 取引先との契約書を作成・審査した件数や具体的な内容
   • リスク回避のために工夫したポイント
2. コンプライアンス管理の実績
   • 社内規定の策定や改訂の経験
   • コンプライアンス研修の企画・実施経験
3. 法務相談・トラブル対応の経験
   • 社内の法律相談対応
   • 訴訟やクレーム対応の実績

経験者は、「どのようなスキルを活かして企業に貢献できるのか」を具体的にアピールすると良いでしょう。

経験者の志望動機例文①

「現職では契約法務を中心に担当し、年間100件以上の契約書作成・チェック業務に携わってきました。取引先との交渉をサポートしながら、リスクの洗い出しを行い、より安全な契約を締結することを心がけています。

貴社は海外展開を進めており、国際法務の強化が求められていると伺いました。私自身、英文契約書のレビュー経験があり、国際取引のリスク管理にも関心があります。貴社の成長を法務の側面から支え、グローバルな業務に貢献したいと考えております。」

経験者の志望動機例文②

「これまでベンチャー企業の法務部門で、契約法務や知的財産管理を幅広く担当してきました。特に、新規事業に伴う契約リスクの分析や商標登録のサポートを行い、事業拡大に貢献してきました。

貴社では、今後さらに事業領域を広げていくとのことで、法務の強化が重要になると考えています。これまでの経験を活かし、事業成長を法務面から支えたいと考え、貴社の法務職を志望しました。」

経験者の志望動機例文③

「前職では、金融業界の法務担当として、コンプライアンス管理や社内研修を担当していました。特に、法改正に対応した社内規定の改訂を主導し、コンプライアンス意識の向上に貢献しました。

貴社の法務部門は、業界の変化に対応しながら柔軟なリーガルサポートを提供されていると伺い、私の経験を活かせると感じています。」

志望動機を書く際の注意点と避けるべきNG例

法務職の志望動機を書く際には、説得力のある内容を意識することが重要です。しかし、ありがちなミスをしてしまうと、採用担当者に伝わりづらくなります。ここでは、志望動機を書く上での注意点と、避けるべきNG例について解説します。

よくあるミスとその対策

志望動機を書く際に陥りがちなミスと、それを回避する方法を紹介します。

1. 「法務に興味がある」だけでは弱い
   • 「興味がある」だけでは動機として不十分です。なぜ法務に関心を持ったのか、具体的なエピソードを加えると説得力が増します。
2. 自分のスキル・経験と法務の関係性が不明確
   • 未経験の場合は「これまでの仕事で培ったスキルが法務でどのように活かせるか」を示すことが大切です。例えば、営業経験がある場合は「契約交渉の経験を活かしたい」など、具体的に述べましょう。
3. 企業研究が不足している
   • 志望動機に企業の特徴が反映されていないと、説得力が欠けてしまいます。「なぜその会社の法務職を希望するのか」を明確にするために、企業の事業内容や経営方針を調査し、それを志望動機に組み込みましょう。
4. 抽象的な表現が多すぎる
   • 「貴社の成長に貢献したい」「法務の仕事に興味がある」などの漠然とした表現は避け、できるだけ具体的に述べることが重要です。

NGな志望動機の例と改善ポイント

ここでは、実際にありがちなNGな志望動機の例を挙げ、どのように改善すべきかを解説します。

NG例①:
「私は法律に興味があり、法務の仕事に携わりたいと考えています。貴社は業界で成長している企業であり、私も一緒に成長したいと思い志望しました。」

改善ポイント:

• 「法律に興味がある」という漠然とした表現ではなく、なぜ法務職を目指すのかを具体的に述べる
• 「貴社の成長に貢献したい」という表現ではなく、企業の特徴に触れる

改善例:
「契約書の内容を正しく理解し、リスク管理の視点を持つことの重要性を前職の営業経験から学びました。現在、ビジネス実務法務検定2級の取得を目指して勉強しており、実務で活かしたいと考えています。貴社はM&Aを積極的に行い、新規事業展開を進められていると伺いました。そのような環境で法務の仕事に携わり、事業の成長をサポートしていきたいと考えています。」

NG例②:
「貴社の安定性に魅力を感じ、長く働ける環境だと思い志望しました。」

改善ポイント:

• 企業の安定性は魅力ですが、それを理由にするだけでは採用担当者に「他の会社でもいいのでは？」と思われてしまう
• 企業の強みや法務部門の特徴と絡めて志望理由を述べる

改善例:
「契約法務を中心に経験を積み、企業のリスク管理を支える役割に魅力を感じています。貴社は業界内での安定した成長を維持しつつ、新たな分野への展開も進められています。そのような環境で、契約法務やコンプライアンス管理の強化に貢献したいと考え、志望しました。」

よくある質問（FAQ）

志望動機を書く際に、多くの方が疑問に思うポイントについて回答します。

Q1. 法務未経験でも志望動機でアピールできますか？

はい、未経験でもアピール可能です。ポイントは「なぜ法務職を志望するのかを明確にすること」「これまでの経験と法務業務の共通点を見つけること」です。例えば、営業職なら契約交渉の経験、総務職なら社内規定の作成経験などを法務に活かせる要素として伝えると良いでしょう。また、法律関連の資格取得を目指していることをアピールするのも効果的です。

Q2. 志望動機に企業のどの情報を盛り込むべきですか？

企業の事業内容、成長戦略、法務部門の役割などを盛り込むと良いでしょう。たとえば、以下のような点を調査し、志望動機に取り入れると説得力が増します。

• 事業内容：企業が扱っている製品・サービスや主要な顧客層
• 成長戦略：M&Aや海外展開、新規事業などの動向
• 法務部門の特徴：コンプライアンスに力を入れているのか、契約法務がメインなのか

「貴社は○○業界でシェアを拡大しており、法務機能の強化が求められていると感じました」といった形で、企業の強みと自分の経験を結びつけると良いでしょう。

Q3. 志望動機の長さはどのくらいが適切ですか？

一般的に、200～300文字程度が適切です。長すぎると採用担当者に伝わりにくく、短すぎると意欲が感じられません。簡潔にまとめながらも、志望動機の背景や企業の特徴を盛り込むことを意識しましょう。

まとめ：法務職の志望動機作成のポイント

法務職の志望動機を書く際は、以下のポイントを押さえることが重要です。

1. 「なぜ法務職なのか」を明確にする
   • 法律への興味や、これまでの経験との関連性を示す
2. 「なぜこの企業なのか」を伝える
   • 企業の事業内容や成長戦略を調べ、企業に合わせた志望動機を作る
3. 抽象的な表現を避け、具体的に書く
   • 「貢献したい」「成長したい」ではなく、どのように貢献できるのかを示す
4. よくあるミスを避ける
   • 「興味がある」「安定している」だけではなく、企業の法務部門でどう活躍できるかをアピールする

しっかりとポイントを押さえた志望動機を作成し、法務職への第一歩を踏み出しましょう！